urakatasandesuのブログ

うらかたさんです。

テーマパークのお仕事 ~クレーム①~

さて、前回までにアトラクションのスタッフ、お掃除スタッフ、警備スタッフと紹介してきました。

今回は、テーマパークのお仕事で絶対に避けられない「クレーム」に焦点を当ててみたいと思います。

テーマパークでは、お客様からの苦情を「ゲストクレーム」と言います。ゲストの前で「ゲストクレームです。」とは言えないので略語で「GC」などと呼んだりします。

 

では、一体どういったクレームがあるのかですが、以下の様になります。

  1. 間違った情報を伝え、ゲストが不利益を被った。
  2. ゲストの希望通りにならなかった。
  3. スタッフの対応が悪かった。

大体こんな感じです。それぞれの基本的な対処は以下の様になります。

(ゲストの主張が正しい場合)

1.に関しては謝罪以外にする事がありません。

2.に関しては、理解を得れるまで説明します。

3.こちらの教育に不備があった事を謝罪し改善を約束します。

となります。あくまでも基本的な対処です。

 

謝罪に関してはまず「嫌な思い、不愉快な思いをさせてしまった事」謝罪します。

決して最初から該当事案に関して謝罪する事はありません。

なぜならゲストが主張している事が事実かどうかがわからないからです。

その次にゲストの主張を聞きます。ひたすら聞きます。

なぜなら、大半のクレームは勘違いによって引き起こされる事が多いからです。

一通りゲストの主張を聞き、あきらかにこちら側のミスと認められればその事案に関して謝罪し、場合によっては何かしらのリカバリーを提案します。

 

ゲストの主張に対してこちら側の落ち度が無ければそのことを説明します。主に上記の2.の場合がこれに該当します。

よく言われていたのは「おまえらのとこはそんなことするのか!おかしいだろ!」といった主張です。

これに対して基本的には「はい、そうです。」となります。なぜならそれが事実だからです。上記のような主張に対して言い訳をするとゲストをさらにヒートアップさせる事になるので、事実を認める方がゲストは「そういうところなんだ」と思う事にならざる得ないので「はい、そうです。」になるのです。

 

対応するスタッフからしたら、大きな声で怒鳴られる方が対処しやすいです。怒鳴られている場合、「はい、はい、そうですか。」「そうすですね」とのらりくらりかわし内心は「早く終わらないかな」と思っています。場合によっては胸倉をつかまれる、手を上げさせた方が「早く終わるかな」と思っています。

 

なぜなら基本的に大きな声で怒鳴られる場合ゲストは自分の主張を言いたいだけの事が多いからです。そして、この場合返金や複数のアトラクションの優先案内など無理な要求をしてきます。

 

ディズニーランドのワンデーパスにもUSJのワンデーパスにも記載がありますが、ワンデーパスの返金はしません。なぜなら、ワンデーパスを購入したのはゲスト自身の判断であるからという事と、入場した時点でパークが提供する「景観」を体験しているからです。

ただ例外はあります。ワンデーパスを購入し入場前に台風などでパークそのものがオープンしない場合は返金になる事もあります。

 

無理な要求をしてきた場合も「申し訳ないですが、それはできません。」と毅然とした対応をすると、ゲストはそれ以上何も言えなくなってしまい、多くは捨て台詞「こんなとこ二度と来るか」と言って去っていきます。

これに対してスタッフ側は「二度と来なくていいですよ(ニッコリ)」と内心思っています。実際は「(嫌な思いをさせて)申し訳ございません。」と見送ります。

 

対応が難しいのが、理詰めされる事です。冷静に「これが、こうで、あ~なってこうなった。これはそちらの対応に問題があるのではないか」と言われるとぐうの音も出ません。

 

そういう場合は誠心誠意謝罪します。そして、上記でも書いた通りできる限りのリカバリーを提案します。そしてさらに対応を難しくするのがその提案を拒否されることです。

状況的には「じゃ~どうしたい?」となってしまいます。この場合、拒否された時点で対応したスタッフが対応できる範囲を超えるので上長が登場します。

 

理詰めしてくるゲストは、現場スタッフをバカにしている事が多く、

「あなたでは話にならない」

となります。そこでこちら側は

「では、私の上長を呼びますのでお待ちください。」

となります。

 

ただ、上長が出てきても何も変わりません。同じ話をもう一度はなし、上長が聞き、同じような提案をすると、なぜか提案を受け入れ、納得するゲストが多いです。

 

そして、提案を受け入れアトラクションを体験した後、上長がさらに謝罪や様子を聞きに行くとゲストは「ありがとう」と帰っていきます。

現場にはあまり出ない上長(えらいさん)と話をした。という事がゲスト自身が自分を納得させ、追撃の謝罪が来た事でゲスト的には「もういいよ」となるようです。

 

今回は、クレームについて少し長くなりましたが、書いてみました。これが100%ではないです。私の経験からくる推測も多分に含まれております。