テーマパークのお仕事 ~お掃除の人~
前回は、アトラクションのスタッフについてでしたが、今回はお掃除の人について。
お掃除の人はその名の通りパーク内のお掃除をしているスタッフです。
場合によっては、アトラクションのスタッフより出会う確率が高いスタッフです。
誰だってゴミが沢山落ちている汚いパークで遊んでも自分の家のように感じ非現実感を味わうことが出来なくなってしまいます。
そこで、お掃除スタッフの登場です。
「お掃除するだけでしょ?」
とお思いかもしれませんが、とても大変なお仕事です。
お掃除スタッフは割り当てられたエリアを巡回しています。
パークに落ちているゴミをはじめゴミ箱、トイレ、灰皿を定期的に見回り清掃していきます。また、雨上がりには濡れた椅子、手すりの吹上。パークワイドショーがある場合はルートの排水作業、さらには、嘔吐物、血液、小動物の死骸の処理まで行います。
お掃除スタッフは掃除のスキル以外にパークの情報を多く必要とします。なぜなら、パーク内の巡回時にゲストから様々な問い合わせがあるからです。担当のエリア外の事ももちろん問い合わせがきます。そのため、より正確でより多くの情報が必要になるわけです。
また、汚物、嘔吐物、血液、小動物の死骸はそれぞれ感染症の危険があります。そのため、お掃除スタッフは正しい知識で正しい処理をしなければなりません。
主なお仕事は以上になります。
ショッピングモールなどのお掃除の人とは大きく違い笑顔で明るくつらい顔を見せずにお掃除をするのは大変な事だと思います。
また、「もらいクレーム」*2も多々あり、聞いた話だとトイレの個室の壁一面に汚物が付いているなどたくさんの人が来る場所であるがゆえにかなり個性的な人に当たってしまう事もあります。
お掃除のスタッフももちろん一番優先されるべき事は、
「安全」です。
見た事や聞いた事があるかもしれませんが、
液体がこぼれている時お掃除スタッフは決してしゃがみません。立ったまま地面にこぼれた液体の上に紙を置き、足で拭きます。その後持っているほうきと塵取りで回収します。
これは、しゃがむのが面倒なわけではなく、沢山の人が行きかう場所でしゃがむと通行している人の邪魔になるだけでなく、障害物になって転倒させてしまうかもしれないからです。
また、お掃除のスタッフが「まぁこれくらいいいや」と思って取り残したゴミ、そのゴミをたまたま歩いていたゲストが避けた、その避けた先に子供が居て子供に接触。
なんて事も考えられます。「そんな馬鹿な」と思われますが、
テーマパークでは万が一が起こります。なぜなら毎日何万人と来場されるからです。
お掃除スタッフは、かなり高いプロ意識を持って仕事をしています。今日もパークがきれいなのは自分たちの力だと。私はいつもお掃除スタッフに依頼する側でしたが、彼らの仕事っぷりにはいつも感心させられていました。
今回はお掃除スタッフについてでした。